【商標】事業上のリスクを商標権取得で回避しましょう!

商標とは何か

 本サイト及び本記事を参照いただき、ありがとうございます。

 以下では、日本における商標の機能、商標権のメリット、商標権が無いことのデメリットを示します。これにより、日本での商標権の登録が事業を行うための前提条件であることを示します。

 貴方又は貴社の事業を成功へと導くために、商標権の取得を是非ともご検討ください。 

日本における商標の機能

 日本において商標は、下記の基本機能を示すため、好ましく使用されます:

(1)その商標が使用された商品又はサービス(以下、商品等とも言います)と、他人の商品等との違いを示す、自他商品等識別機能

(2)その商標が使用された商品等が誰のものかを示す、出所表示機能

(3)その商標が使用された商品等が一定の品質を持つことを示す、品質保証機能

(4)需要者の購買意欲を喚起する、広告宣伝機能

 その他、その商標の使用により、その商標に業務上の信用(需要者による信頼)が積み重ねられ、これによって、需要者の購買意欲を換気する、顧客吸引機能などが挙げられます。

 仮に、商標を使用せずに商品等を需要者に提供した場合には、何者かの商品等が不明となり、また、需要者による信頼も発生せず、市場での存在を示すことができない事態を招来します。

 したがって、商標は、事業を行うために必須のものです。 

日本において商標権があることのメリットとは何か

 日本において商標権は、例えば、下記の(1)~(6)のメリットを有しています。

 なお、用語「専用権」とは、商標権に係る登録商標を、その商標権に係る指定商品及び/又は指定役務(以下、指定商品等とも言います)に、使用する権利範囲を意味します(日本国商標法25条)。

 また、用語「禁止権」とは、商標権に係る登録商標を、その商標権に係る指定商品等に類似する商品等に使用すること、又は商標権に係る登録商標に類似する商標を、その商標権に係る指定商品等に使用すること、を意味します。

 以下の表1は、登録商標(同一、類似、及び非類似のもの)と、指定商品等(同一、類似、及び非類似のもの)との間の関係を示しています。

【表1】商標権者の権利範囲

 

登録商標

同一

類似

非類似

指定商品等

同一

専用権

禁止権

権利無し

類似

禁止権

禁止権

権利無し

非類似

権利無し

権利無し

権利無し

 

(1)メリット1:専用権の範囲内での独占的効力

 商標権者は、専用権の範囲内で、独占的効力を有します(日本国商標法25条等)。

 この、商標権の独占的効力は、知的財産権法、例えば、特許法、実用新案法、意匠法の中でも特に強力なものです。特許法に規定される特許権では独占的効力を認めています(日本国特許法第68条)が、これは原則であり、第三者が有する別の特許権に基づいて差止請求権等を行使される可能性があるのです(日本国特許法第72条、100条等)。

 他方で、上記した商標権の専用権の範囲内であれば、このような第三者の商標権に基づいて差止請求権等を行使されることはありません(日本国商標法25条、29条等)。

 このため、商標権(特にその専用権)の独占的効力は、非常に強力なのです。 

(2)メリット2:専用権及び禁止権の範囲内での排他的効力

 商標権者は、専用権及び禁止権の範囲内で排他的効力を有します(日本国商標法25条、37条等)。

 この商標権の排他的効力により、第三者による登録商標の使用を差止め等することが可能であり(日本国商標法36条等)、後述する「ただ乗り(free ride)」、「希釈化(dilution)」、及び「汚染(pollution)」等の被害を抑制できます。 

(3)メリット3:ブランディング効果

 商標権を取得し、これを指定商品等にRegistration Markとして表示することにより、他社の商標権を侵害していないことの裏付けとなり、需要者からの信頼獲得、及び他社とのアライアンス締結が容易となることが、期待されます。 

(4)メリット4:Search Engine Optimization (SEO) の効果

 商標権を取得することで、第三者のサイトにおいてサイト紹介文を伝えるMETAタグの削除依頼が可能です。これにより、商標権に含まれるワードで検索した場合に、自分以外のサイトがヒットしない環境を構築することができます。 

(5)メリット5:Amazon ブランド登録サービスの要件

 巨大ECサイト、Amazonのサービスの一つに「Amazon ブランド登録」があります。このサービスでは、Amazonでのブランドの構築と保護に役立つ一連のツールが利用でき、カスタマーエクスペリエンスの向上に役立てることが可能です。

 このサービスを利用するには、商標権の取得が要件の1つとして列挙されており、商標権の取得により、「Amazon ブランド登録」サービスを利用できる可能性があります。 

(6)メリット6:ドメイン名の保護

 取得しようとしているドメイン名は、他人の商標権を侵害するようなドメイン名である可能性があります。したがって、取得しようとしているドメイン名で商標権を取得することで、当該ドメイン名を独占的に使用することが可能です。 

日本において商標権が無いことのデメリットとは何か

 日本において商標権を取得しない場合には、例えば、下記の(1)~(7)のデメリットがあります。下記に示すデメリットは、貴方又は貴社の事業にとって障害であるか、又は致命的なものとなり得ます。

 日本での事業の開始前に、商標権の取得を是非ともご検討ください。

(1)デメリット1:ただ乗り(free ride

 貴方又は貴社が商標権を取得しない場合には、第三者が自由に貴方又は貴社の商標を使用できることを意味します。これにより、貴方又は貴社が現在又は将来的に販売・提供できたであろう商品等のシェアを、第三者に奪われる可能性があります。

(2)デメリット2:希釈化(dilution

 第三者が自由に貴方又は貴社の商標を使用することにより、第三者に当該商標が、低品質の商品やサービス等に用いられ、当該商標と、貴方又は貴社との結びつきが薄められる可能性があります。

(3)デメリット3:汚染(pollution

 第三者が自由に貴方又は貴社の商標を、そのブランドイメージと異なる商品等に使用したり、また、その商標を改変することにより、ブランドイメージの変質や汚染が生じる可能性があります。

(4)デメリット4:警告及び差止請求等

 第三者が、貴方又は貴社の商標についての商標権を取得した場合には、当該商標権に基づいて警告を受けるリスクがあります(日本国商標法13条の2等)。当該警告に従わない場合には、事業の差止請求(同法36条)や損害賠償請求(日本国民法709条)等を受ける可能性があり、事業の停止に追い込まれれば、死活問題となります。

(5)デメリット5:先願主義

 日本の商標法では、先願主義が採用されています。したがって、事業が軌道に乗ってから商標権を取得しようと計画した場合には、第三者に先に商標登録出願され、商標権を取得される可能性があります。第三者に商標権を先に取得された場合には、貴方又は貴社が使用している商標の使用を停止し又は変更するリスクや、商品等の回収が必要になる等のリスクがあります。

(6)デメリット6:先使用権の主張困難さ

 貴方又は貴社の商標が第三者に先に商標登録された場合であっても、その商標登録に係る商標登録出願の日前から、貴方又は貴社が商標を使用していたならば、先に商標を使用していた旨の先使用権を主張することが検討可能です(日本国商標法32条1項)。

 しかしながら、当該先使用権を成立させるためには高いハードルがあり、現実的ではありません。

 例え、先使用権の主張が可能だったとしても、第三者の商標権者から、出所混同防止のための表示を請求される可能性があり(同法32条2項)、したがって、時間的及びコスト的なリスクがあります。

(7)デメリット7:普通名称化

 日本では商標権を取得した場合には、商品等に、商標登録されていることを示すRegistration Markを商標と共に表示することが可能です。他方で、これを取得せねば当該Markを表示できません。

 当該Markが無く、かつ第三者が自由に貴方又は貴社の商標を使用した場合には、当該商標及び商品の出所等が曖昧となり、ブランドイメージの構築や市場でのシェア獲得に悪影響が出る可能性があります。 

まとめ

 いかがでしたでしょうか、日本における商標の機能、商標権のメリット、商標権が無いことのデメリットを考慮した場合には、日本での商標権の登録が事業を行うための前提条件であることがご理解いただけたかと思います。

 事業を行う場合には、商品の出所が貴方又は貴社からであることを示す商標の表示が必要であり、更には、その商標を商標登録により法的に保護することで、安全に事業とそのブランドを守ることが必要です。

 貴方又は貴社の事業を成功へと導くために、商標権の取得を是非ともご検討ください。

 おりがみ国際特許事務所に所属している弁理士は、商標の取り扱い及び法令に精通し、かつJPOとのプロセキュージョンについても経験豊富です。

 したがいまして、是非とも商標登録出願をご検討いただければと思います。

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