【特許】国内移行期限徒過のコロナ理由による回復理由書の書き方

1.国際特許出願の国内移行期限の徒過

 国際特許出願、特に外国語でされた国際特許出願を、日本国内で有効する処理のことを一般に「国内移行」と呼びます。
 国内移行期限は、優先日(国際出願日又は、優先権主張を行っている場合にはその基礎出願の日)から2年6ヶ月後に到来し(特許法第184条の4第1項)、これを徒過した場合には、原則として、当該国際特許出願は取下擬制されます(同条第3項)。
 これには救済策があり、「正当な理由」(同条第4項)があれば上記期限内に必要書類が提出されたものとみなされます(同条第5項)。
 しかしながら、この「正当な理由」の条件が非常に厳しく、天変地異等の予測困難性が必要とされます。例えば、事務的ミス等では典型的には当該条件を充足することができませんし、理由があったとしても、その証明は非常に煩雑です。

2.期限徒過に対する柔軟な対応

 しかしながら、このコロナ下における期限徒過に関して柔軟に対応するとの発表がありました。
「特許庁への手続について、新型コロナウイルス感染症の影響により、指定された期間内に手続ができなくなった場合には、以下のような例にしたがい、指定期間を徒過していても有効な手続として取り扱うものとします。(令和4年2月10日更新)」

3.国内移行期限の徒過には回復理由書を提出

 具体的には、国内移行期限の徒過には、回復理由書を作成して提出することにより対応します。
 国内移行期限の徒過に関する回復理由書の記載例を下記に示していますので、よろしければ参考としてください。なお、下記の記載例は、国内書面の表紙を提出済とした前提のものですのでご注意ください。

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【書類名】       回復理由書
【整理番号】      ●●●●●●●●●●
【提出日】       令和●●年●●月●●日
【あて先】       特許庁長官殿
【出願の表示】
  【出願番号】    特願20XX-●●●●●●
【特許出願人】
  【識別番号】    ●●●●●●●●●
  【氏名又は名称】  特許 次郎
【代理人】
  【識別番号】    ●●●●●●●●●
  【弁理士】
  【氏名又は名称】  ●●●●●
【回復の理由】
1.要約
 本件、特願20XX-●●●●●●(国際出願番号PCT/US20XX/●●●●●●を国内移行したもの)は、下記で詳細に説明しますとおり、特許法第184条の4第4項に規定されている「正当な理由」に該当します。
 つきましては、本回復理由書と同時に提出した日本語明細書等の翻訳文の受理、及び同条第5項の適用を賜るようお願い申し上げる次第です。
2.「正当な理由」に該当すべき理由
 本件では、令和●●年●●月●●日付にて翻訳文無しの国内書面が提出済であり、翻訳文提出特例期間の期限が同年●●月●●日で設定されている状態でした。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、出願人の「●●●●●●●●●●●●」の知的財産部が同年●●月●●日から実質的に閉鎖され、該知的財産部の部員が在宅勤務となり、本件の日本語明細書等の翻訳文の発注手続等をすることができませんでした。
 同年●●月●●日より在宅勤務が解除され、出願人は、本件の日本語明細書等の翻訳文の発注手続等を直ちに行いました。
 同年●●月●●日付で、本件の担当弁理士のもとに当該翻訳文が納品され、その後、種々の調整を行い、当該翻訳文の提出等の手続が可能となりました。
3.「手続をすることができなかった理由がなくなった日」とその根拠
(1)ア.手続をすることができなかった理由がなくなった日
 本事件の理由がなくなった日は、令和●●年●●月●●日です。
(2)イ.手続をすることができなかった理由がなくなった日とした根拠
 本件特願20XX-●●●●●●の日本語明細書等の翻訳文が担当弁理士のもとに納品された同日が「理由がなくなった日」であるためです。
                                      以上
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